高血圧の人の減塩の目標

 

食塩の摂りすぎは血圧の上昇を招きます。

このため、高血圧を予防し改善するための食生活のポイントとして、減塩は欠かせません。

では、なぜ食塩をとり過ぎると、血圧が上がるのでしょうか。

調味料として一般的に使われている食塩は科学的には塩化ナトリウムといい、体内にはいると塩素とナトリウムに分かれます。

高血圧で問題となるのはナトリウムです。

食塩を多く取ると、血液中にナトリウムが増えます。

体には、血液成分のバランスや濃度を常に一定に保とうとする働きがあるため、そのナトリウム濃度を薄めようとする作用が起こります。

つまり、組織の中にある水分が血液に移動したり、のどが渇いて水を飲むことで一時的に血液の量を増やしたりするのです。

こうして体内を流れる血液量が増えるわけですから、心臓はより強い力で多くの血液を送り出します。

すると血液は、血管壁に強い圧力をかけながら流れていくことになり、その結果、血圧が上昇するのです。

また、血液中にナトリウムが増えると血管壁の筋肉細胞に水分とともにナトリウムが入り込みやすくなります。

すると、血管壁がむくみ、血液の通り道が狭くなります。

狭い血管を血液が通るので当然、血圧が上がります。

加えて、ナトリウムには交感神経を刺激する作用があります。

血液中の増え過ぎたナトリウムが交感神経を刺激し、抹消血管を収縮させ、血液を流れにくくすることにより、また、血圧を上げるホルモンの分泌を促進することによって血圧が上昇するのです。

食塩の主成分であるナトリウムは、人間が生きていくうえで欠かすことのできない栄養成分です。

しかし、ナトリウムは私たちが食べるほとんどの食品の中にすでに含まれています。

このため、食事からとらなくてはならない食塩の量は、考えているほど多くはありません。

減塩によって、どれほど血圧が下がるかは個人差がありますが、食塩の摂取量を1g減らすと血圧は1㎜HG下がるといわれています。

厚生労働省の国民健康栄養調査によると、日本人の1日当たりの食塩摂取量は平均で9~11gですが、この食塩摂取量では血圧を下げることはできません。

日本高血圧学会が定めた、高血圧症の人の食塩摂取目標値は1日6g未満となっています。

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