総コレステロール値は低過ぎても危険

 

多くの人はコレステロールは低ければ低いほど健康にいいと思っているかもしれません。

しかし結論から言うと、これは大きな間違いです。

総コレステロール値は低過ぎても、高すぎてもだめです。

ちょうどいい数値は200㎎から240mgだと考えられています。

コレステロールが280mg/dl以上のグループと 180 mg/dl未満の低い数値のグループを見ると、ここが一番死亡率が高くなっているのです。

長生きするのは中間のグループ、180㎎から279㎎/dlとなっています。

総コレステロール値が極端に高くなれば、動脈硬化が原因の心臓病が起こってきます。

しかし極端に数値が低いとがんや肺炎、脳卒中などが増えているのです。

なぜこのようなことになるのでしょうか?

それはコレステロールが人間の体にとって非常に重要な働きをする物質だからです。

コレステロールはタンパク質、リン脂質とともに、細胞膜をつくる三大構成要素の一つです。

また、コレステロールは男性ホルモン、女性ホルモンなどの性ホルモン、ビタミンB、胆汁酸などをつくるために欠かせない成分です。

体内のコレステロールが不足すると、人間の体に必要なものがつくられなくなり、様々な不都合がおこってきます。

コレステロールが低くなってがんが増えるのは、免疫力が下がることが原因です。

また、正常な細胞がつくられにくくなり、細胞が変異を起こしやすくなり、がん細胞が増えるのではないかと考えられています。

また、低コレステロールはうつ状態や自殺を引き起こす原因ともなります。

それは細胞膜のコレステロールが少なくなると、セロトニンという神経伝達物質を取り込めなくなるためです。

セロトニンは幸福ホルモンと言われるほど喜びの感情に影響を与えていて、足りなくなるとうつ状態起こすことが分かっています。

その結果、自殺などにつながるのではないかと考えられています。

このように体にとって重要なコレステロールが、なぜ低い方がいいという説が広まったのでしょうか。

一つは1948年に行われたアメリカの疫学研究の結果が大きな影響を与えています。

虚血性心疾患を予防するには、血圧、血糖、コレステロール値などが低ければ低いほどいいという情報がひとり歩きしたのです。

その後、がんの原因になるなど、低コレステロールの害が取り上げられるようになりましたが、一度広まった意識を変えるのは難しかったのです。

その後、総コレステロールの数値で死亡率を調べた実験があります10年間の追跡調査がされました。

結果は、総コレステロール値と善玉といわれるHB Lコレステロール値の低いグループが、最も死亡率が高いということが明らかになりました。

現在、日本では日本動脈硬化学会のガイドラインに沿って、総コレステロール値の基準値は150㎎から219 ㎎、220mgを超えたら、薬で治療して下げるとしています。

しかし、280mgを超えなければ、薬を飲んでまで下げる必要はありません。

最近では日本動脈硬化学会の総コレステロール値の基準が低すぎるとの批判もあり、独自の基準値を設ける学会も現れています。

ただし、家族性高コレステロール血症といって遺伝的にコレステロール値が上がりやすい人、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を複数併せ持っている人は医師ときちんと相談する必要があります。

総コレステロール値が160mg以下の人は、栄養が低いため、栄養バランスの取れた食事を心がけ、コレステロールを増やす必要があります。

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