タウリンがコレステロールを減らす

 

コレステロールには、動脈硬化を促進させるLDLコレステロールと、むしろ動脈硬化を防いでくれるHDLコレステロールがあります。

単にコレステロールという場合は、この善玉と悪玉も一緒にした総コレステロールを調査しますが、ふつう、総コレステロール値が高いときは、善玉が減り、悪玉が増える傾向がみられます。

したがって、総コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすようにすれば、動脈硬化を防ぐことができるのです。

この目的を達成させる物質として、魚や貝、イカ、タコなど海の幸に多く含まれているタウリンというアミノ酸が注目されています。

アミノ酸には、人間の体内では合成されないので食物からとる必要がる必須アミノ酸と、人間の体内でも構成できる非必須アミノ酸があり、タウリンはメオチニンなどの含流アミノ酸から構成されるので、乳児以外は必須アミノ酸に指定されていません。

しかし、食生活の欧米化に伴い、高コレステロール食をとりがちな現代の日本人にとって、今やタウリンは必須アミノ酸といえるのではないかと思われます。

血中コレステロールを減らすタウリンの働きは、様々な実験で確認され、高コレステロール血症の患者さんの治療にも使われています。

ラットを使ったこんな事件があります。

ラットにコレステロールを多量に含んだえさを与えると、わずか45日のうちに血中コレステロールの値は約3倍にもなります。

このラット二つのグループに分け、いずれにもこれまで通りのコレステロールの多いえさを与えますが、一方にはそれにタウリンを加え、もう一方にはタウリンを加えません。

その結果、タウリンを加えたラットは血中コレステロールが上昇したときの約半分にまで下がり、タウリンを加えなかったラットの血中コレステロールは高い値のままでした。

また、含まれるコレステロール量の2倍量のタウリンを加えたえさを与えると、ラットの血中コレステロール値の上昇は見事に抑えられたのです。

最初の数日はコレステロール値の上昇がみられるのですが、2週間ほどでゆっくり下がり始め、結局、実験を始める前の正常値に戻ったのです。

さらに、ラットにどんなにコレステロールを食べさしても、同時にコレステロールの2倍以上のタウリンを与えれば、血中コレステロール値は逆に、実験を始めた時の値より下がり始めることがわかりました。

詳しく調べてみると、タウリンを与えたラットの血中では、血管壁にこびりついて動脈硬化を進めるLDLコレステロールだけが減り、血管をキレイにするHDLLコレステロールは逆に増えていることが確認されました。

タウリンの働きのメカニズムは、まだはっきり解明されていない点もありますが、肝臓でコレステロールから合成される胆汁酸の代謝に関係があるのではないかと考えられています。

タウリンは魚介類に多く含まれています。

これまで、イカ、エビ、タコ、貝類はコレステロールの含有量の多い食品として、敬遠されてきました。

しかし、これらの食品は同時にタウリンの含有量も多く、含まれているコレステロールに負けないだけの量が含まれているのです。

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